私は大学では経済学部で学び、蓄電池などエネルギー分野のテーマで卒論を書きました。ですので、今の仕事とは関係のない勉強をしていました。就職活動をしていて内定をいただいたのがなぜか温泉の保養施設でした。それがきっかけで、そこで勤めるとすればどのようなキャリアを辿るのかを調べ初めて蓮に辿り着き、関心を持ちました。
蓮に関心を持ったのは、全国でも数少ない、健康と観光を掛け合わせた「温泉利用型健康増進施設」であるという点です。健康増進といえばジムが真っ先に思い浮かびますし、最近はブームになっています。そんな中、蓮は、客層がそもそもジムとは異なりますし、健康と旅行を両立していて面白いと思いました。これから有望な業界だなと思い、最初にいただいた内定を辞し、健康増進部を志望して入社しました。
同期は私の他に2名います。2人とも健康増進部志望で入社しましたが、彼らは体育系の学部出身で、もともとジムに興味があったようです。私だけトレーニングの基本知識がなかったので、まずは健康運動指導士、温泉利用指導者の資格を取ろうと決めて、2年目に健康運動指導士に挑戦し、合格しました。健康運動指導士の認定試験を受けるには、事前に取らなければいけない資格があります。そのため最低でも取得まで2年かかりますが、働きながら独学を続け、計画通り、合格できました。
入社後は温浴の清掃からスタートし、現在はジムの受付やパーソナルトレーニングの実施、インボディ(InBody)測定、お客様とのコミュニケーション、ジム機器のメンテナンス、フロント清掃などに従事しています。
もともとウエルネスウォーキングのようなことをやりたいと思って入社しましたが、実際にはフロント業務が多く悩んでいた時期もありました。その時は「なぜ清掃ばかり」「なぜフロントなんだ」と不満を抱えながら仕事をしていましたので、細かいところまで気を配れていなかったと思います。ただよく考えてみると、蓮のお客様はジムを目的に来られる方ばかりではありません。日帰り旅行や温泉で寛ぐことを楽しみに来てくれる方が多いため、フロントや清掃も大切な業務であると、今は気持ちを切り替えて仕事をしています。
最近はジムの仕事も増えました。まだ「これが得意」と言えるほどのものはありませんが、生活習慣病については勉強もして、少し自信がついてきたところです。会員様の中に高血圧の方がいらっしゃって、一緒に考えながら運動を続けてみたところ、数値も少しずつ下がってきました。私達が行うのはあくまでも運動指導であり、治療ではありません。お医者さんからどういうことを言われているのかを聞いた上で、資格取得を通して得た知識を参考にしたり、上司のマネージャーに相談したりしながらメニューを作っています。
また、メンバーの方と接する機会は多いので、私の方から話しかけて、「実際にちょっとやってみましょう」とお金はもらわずに試していただくなど、仲良くなることを意識しながらコミュニケーションを取っています。パーソナルトレーニングはまだ2週間に1回か2回くらいしかありませんが、指名していただけるお客様も増えてきました。
私はこれまで、「接客が好き」だと特別感じたことはありません。しかしある日、会員の方から「あなたはいつもフロントで笑顔で接してくれるから元気がもらえる。ありがとう」といった絵手紙をいただいた時は非常に嬉しかったです。会員の皆さんはよく見ていらっしゃいます。掃除をしていると「いつも掃除してくれてありがとう」とお声がけいただくこともあります。そういったことも嬉しいです。運動指導やパーソナルトレーニングでお客様に接する時は、大きなプレッシャー、責任を感じますが、「ありがとう」とおっしゃっていただくことや、血圧の数値が改善したのを見ることは、やりがいにもなります。
また私達がやっていることは、これからの社会に必要とされる職業だと思っています。そこまでどうやって近づけるかを考えながら働くことも、ある種のやりがいです。将来的には膝の痛みや腰痛など様々な痛みに対して一貫したプログラムを提供できる場所を作る、または健康増進プログラムという敷居の高いものではなく友人と一緒にレジャー感覚で気軽に受けられるようなメニューを開発することが目標です。
しかし、もっと勉強して、売上にも貢献しなければ、それは実現できません。まずは医療費控除のできる温泉利用指導者の資格取得を目指して頑張っています。
蓮の健康増進部は、ジムをイメージして入社すると大きなギャップがあると思います。日帰り施設を運営する部署なので総合的に考える必要があります。ジムで健康指導をするだけではなく、温泉や食事を含めて気持ち良く、より快適に過ごしていただけるかを総合的に考えていただける方には最適な職場だと思います。